妊婦検診のご案内
2人+1。何カ月かすると、あなたたちの間には、小さな家族が加わることでしょう。そして、あなたは親になる。
赤ちゃんを育てることも、親であることもすべてが初めて。頭で描いていることと、現実はかなり違うかもしれません。でも、思っている以上の喜びと幸せをも、もたらしてくれることでしょう。
親になるということを、そんなに難しく考えることはありません。妊娠したときから、あなたは赤ちゃんのお母さんになる準備を始めているはずです。おなかの赤ちゃんのために、栄養を考えたり、好きなスポーツも一時ストップしたり、赤ちゃんにいいということなら、いろいろやってみよう、としている。それが、すでにお母さんになる準備といえるでしょう。
そう、妊娠中がすでに、子育ての準備期間なのです。赤ちゃんをどういう環境に迎え入れるか、どのように育てるのか、そういうことを、妊娠中に夫婦でよく話し合うことも、親になる一歩といえるでしょう。
赤ちゃんは、お父さんとお母さんの愛に包まれて育っていくことが、なによりの幸せです。そして2人の赤ちゃんに寄せる考えが同じであることも大切です。
子どもにとって、いい両親というのは、夫婦の関係がよい、ということ。今から、しっかり夫婦の基礎固めをしておいてください。
1.妊娠中の定期検診
妊娠中に必要な定期検診は次のとおりです
妊娠月数 | 検診 | 検査内容 | その他 |
妊娠2ヵ月 | 2週間毎 | 超音波検査(妊娠の確認) 子宮ガン検査 膣分泌物検査 |
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妊娠3ヵ月 | 4週間毎 | 超音波検査(胎児の確認) 風疹抗体 HBs抗原 梅毒反応 HCV抗原 ATL抗体 HIV検査 |
胎児が確認できましたら、妊娠届を発行します。 母子手帳をもらっておいて下さい。 |
妊娠4ヵ月 | 4週間毎 | 超音波胎児スクリーニング (胎児の成長をチェック) 貧血検査 血液型検査 不規則抗体検査 心電図検査 |
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妊娠5ヵ月 | 4週間毎 | 超音波検査 腹囲 子宮底測定 浮腫 尿蛋白のチェック |
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妊娠6ヵ月 | 4週間毎 | 超音波胎児スクリーニング (胎児の成長をチェック) |
希望により性別の判定をします |
妊娠7ヵ月 | 2週間毎 | 超音波胎児精密検診 | |
妊娠8ヵ月 | 2週間毎 | 超音波胎児スクリーニング (胎児の成長と胎盤の位置をチェック) 貧血検査 膣分泌物検査 |
帰省分娩などの準備を始めて下さい。 紹介状を準備します。 |
妊娠9ヵ月 | 2週間毎 | 超音波胎児精密検診 | |
妊娠10ヵ月 | 毎週 | 超音波胎児スクリーニング (胎児の推定体重の算出) 貧血検査、胎児心拍検査 |
ただし、定期検診以外でも下記の様な異常があった場合には、すぐに来院して診察をお受け下さい
- ●出血
- ●下腹部痛
- ●腹部緊満感
- ●破水
- ●急激な手足のむくみ
- ●風邪症状
- ●便秘
- ●下痢
- ●おりものが多くて気になる時
- ●つわりなど
2.当院の特徴
- ●当院では分娩、入院は取り扱っておりません。
- ●妊娠末期まで厳重な周産期管理を行い、分娩、入院は市立奈良病院、奈良県総合医療センター、帰省先の病院等に紹介状を持って行って頂きます。また、その他のご希望の施設に紹介することも可能です。
- ●妊婦検診は毎回、必ず超音波で胎児診断、計測を致します。赤ちゃんの発育、異常、性別(希望により)などを早期にチェックできます。
3.妊娠中の過ごし方
妊娠はもともと生理的なもので病気ではありません。ですから普段の生活をとくに変える必要はありません。しかし、妊娠によって起こる体の変化や、心理的な影響によって、わずかの障害でも妊娠の経過に大きく影響することがあります。一人で考え込んだりしないで、ご主人や友人、医師、助産師、看護師に相談し、明るく楽しい生活を送るようにしましょう。
衣服
- ●妊娠中は代謝が激しくなって、汗をかきやすくなります。衣類は清潔でゆったりしたものを選んで下さい。
- ●病院の妊婦検診には着脱に便利な服装でおこし下さい。
腹帯
- ●古来から、妊娠5ヵ月の「いぬの日」に腹帯をつける習慣があります。
- ●これは腹部の保温、保護や妊娠による姿勢のずれからくる腰痛を改善し、姿勢を正しくする役目もあります。腹帯の巻き方は外来で指導致します。
- ●もちろん、通常の妊婦用下着、ガードルなどでも大丈夫です。
靴、はきもの
- ●妊娠中はちょっとした動作で体のバランスがくずれて、転びやすくなります。
また、足の疲労や筋肉痛、けいれんの原因にもなりますから、かかとの広い、低い靴を選ぶようにしてください。
食生活
- ●妊娠中は栄養状態の管理と妊娠中毒症の予防のためにも、次のことに注意してください。
- ①塩分を摂りすぎないようにしましょう。(1日8g以下)
- ②カルシウム、鉄分を十分に摂取するよう心がけましょう。
- ③刺激性食品、アルコール、たばこはさけましょう。
- ④体重増加に注意し、体重増加は妊娠全期間を通じて8Kgから10Kgまでにとどめましょう。
睡眠と休養
- ●妊娠中は疲れやすいので、夜間の睡眠は十分とってください。
また、できれば短時間の昼寝をすると疲労回復や腰痛の改善のために役にたちます。
運動と旅行
- ●家事などの普段の仕事をするだけで、妊婦の運動は十分ですが、散歩や妊婦体操、日光浴は食欲を増し、便通を整え、気分を爽快にします。
- ●妊娠初期と末期は流早産の原因になりますから、長距離の旅行はなるべく避けるほうが賢明です。
性生活
- ●妊娠中のセックスは度をこさなければ心配する必要はありません。
しかし、妊娠初期と末期は流早産の原因になることがあります。
排便
- ●婦人は一般に便秘しやすいのですが、とくに妊娠中はいっそう便秘に傾きます。
妊娠初期から食事、水分摂取、適当な運動によって便通のつくように注意し、きまった時間に排便するように心掛けてください。 - ●浣腸や下剤は、医師の指示による場合以外は、行ってはいけません。
4.入院時の注意
分娩が近づいた時のサイン
“もうすぐお産ですよ、心と体の準備は良いですか?”と知らせてくれるサインです。
- ●胃のあたりがすいた感じがする。
- ●腹部緊満感(おなかのはり)が長くなったり、回数が多くなる。
- ●胎児が下がったような感じがする。
- ●腰がはったり重だるくなる。
- ●胎児の動きが鈍くなる。
- ●膀胱が圧迫されて、トイレが近くなる。
- ●おりものが多くなる。
分娩開始のサイン
- ●おしるし(出血)
お産が近づくと、なんとなく下腹部がはったり、軽い痛みがあったり、少量の血液のまざった粘液が出ることがあります。分娩開始の徴候ですが、すぐにお産になることはありませんので、しばらく様子を見ていても大丈夫です。 - ●陣痛
これまで一日に何度もおなかが張っていたのが、だんだん規則的になり、それが10分おきぐらいになったら、いよいよお産の開始です。病院に電話をし、入院して下さい。 - ●破水(みずおり)
陣痛が始まる前に、なまぬるい水のような液が急に流れ出ることがあります。お小水やおりものと区別がつかない時もありますが、病院に電話をして様子を伝えた上で、入院して下さい。
一般的に入院時に必要なもの
“もうすぐお産ですよ、心と体の準備は良いですか?”と知らせてくれるサインです。
- ●健康保険証
- ●母子手帳
- ●印鑑
- ●寝間着(授乳に便利な前開きのもの)
- ●寝間着の上にはおるもの
- ●下着(生理ショーツ:できれば股が開閉できるもの)
- ●ナプキン
- ●洗面道具
- ●バスタオル
- ●タオル
- ●テイッシュ
- ●コップ
- ●スリッパ
- ●赤ちゃんの衣類
- ●オムツ
- ●オムツカバー
- ●ガーゼのハンカチ
入院に必要な費用
お産の入院はふつう1週間以内です。これにかかる費用は下記の通りです。
- ●分娩料:正常分娩にかかる費用です。
- ●入院料:入院料とは個室使用料、食費、看護料、寝具料などです。
- ●産後処置料:産後1週間の処置料、材料費が含まれます。
- ●新生児看護料:新生児の看護料、処置料、衣類、おしめ、寝具、綿花、ガーゼ、ミルク、石鹸などが含まれます。
- ●薬事料:分娩後の内服薬などの費用です。
なお、料金については各病院の受付、会計でおたずね下さい。 - ●正常分娩の場合は保険が適応されませんが、産後に分娩手当金として、約30万円前後が支給されます。(病院の証明が必要です)